【落語】志らく一門会 3月20日

「妾馬」は理想のおもしろ殿様と江戸っ子のスケッチ。

こんなさなかですが、決行してくれました。Twitterで開催の可否をつぶやいてくれたのが有難かったです。
ていうか、「志らく一門会」の公式ページの放置っぷりは酷いと思う。=q Google検索で一番上に来るのだから、だれか引継ぎして欲しいですな。

それはさておき、今日は今までで一番楽しめた会でした。私は駆け出し落語ファンなので落語の評価なんかは書きません。単純に感想を書き残したいと思います。

今回は、5人が5人とも、テキストの段階ですでに笑える演目を選んでいた印象でした。最近のションボリムードを考慮してのチョイスでしょうか。それをプロの技で演出するわけですから、出来も上々。笑いっぱなしです。

しかし、何でもバランスってあるんですよね。寿司の頼み順じゃないですけど、五カン全部大トロだったら胸焼けするじゃないですか。なので、正直、私は4人目の志ら乃さんを聞き終えた後は、ちょっと疲れていたのです。

そんな中、大トリの志らくさん登場です。演目は「妾馬(めかうま)」。もともと大好きな噺なのですが、この「妾馬」は今まで聞いた中で最高のものでした。「妾馬」は、上・中・下、とあるのですが、最近は中だけしかやらないことが多いです。
「中」にわかりやすい面白ハイライトが集中しているのと、「下」はオチがカラーテレビ世代の人間には意味がわからず、説明したところで大して面白くないのです。志らくさんは、今回、これを「上・中」とやりました。

 貧乏長屋の横を大名行列が通り、その時に大名の目に留まった娘がお城奉公にヘッドハンティングされる。その内にその娘は大名の跡取り息子を産み、城内で大出世の運びとなり、大名の寵愛を受ける事になる。そこでそのお祝いという事で、娘の兄、八五郎を城に呼び、殿様直々にねぎらう事になったのだが、その兄は、貧乏長屋の中でも特にバカで作法知らずの、典型的なバカ江戸っ子。

 城なんて固っ苦しい所はゴメンだ!と言いつつも、なんだかんだでお城に行く八五郎。侍だらけの殿中。殿様の面前で、何とかうまく取り繕おうとするが、これが滅茶苦茶。とんでもないドタバタをくり広げ、無作法をふりまくのだが、それが笑いを誘う。しかし、彼の言動はまっすぐな本心であり、また、妹を大事に思う一心が誰にも(観客にも)伝わるので、まったく嫌味が無い。

 「よいよい、無礼講じゃ。朋友にするように話せ」と、この兄を気に入り始めた殿様の大らかな雰囲気もいい。しまいには、酔っ払った八吾郎の、庶民の下々の小唄、都都逸の合いの手まで入れてくれちゃう。何とも粋な殿様。これぞ江戸の、いや、日本人の理想の「俺っちの殿様」ではないでしょうか。

とにかく、出てくる人間が全て「見ていると嬉しくなる人達」なのです。笑えるだけじゃないんですよね。
「こんな人達、ようすがいいなぁ」「いい人たちが幸せになってて嬉しいなぁ」と、そのキャラクターと、その顛末に、思わずホロリなのです。

志らくさんが、この噺の「上」をやった理由がわかりました。「上」でキャラクターの性格や、長屋の設定を、笑いを交えながらしっかりやっているのが、「中」で効いて来るのです。

ボロ長屋のお人よしの大家さん、そして主人公である、下町ソウル全開のバカ元気で妹思いの兄の八五郎。半分基地外みたいになっちゃった八吾郎達のお母さん(噺の中では「汚ねぇババア」)この「上」がちゃんと面白い上に上記のキャラクターをばっちり印象付けてくれるからこそ「中」で、殿中で大奮闘する兄、八五郎と殿様のやり取りが光るのです。

来月の一門会は、ななんと4/7。近!!! もちろん前売りチケット買いましたとも。

来月が楽しみです。=D