【レトロゲーム絵日記 14 】ワルキューレの冒険:「戦乙女」という概念をくれた神ゲーム。

妄想はかどるサンドマンのお店での買物シーン

ワルキューレさん、お店で買物するも財布が心もとないの図。
サンドラのアイテムショップでの1シーン。何気に妄想が要る部分です。


L字テーブルに商品が乗っていて、一番奥に大きな天秤があります。 サンドマンのお店は、これを窓口にして持っている物を売る仕組みになっているんですが、これどう見ても、本来は一方に商品を置いて、他方にそれに見合うお金を置いて取引するためのツールですよね?

お金が、何がしかの稀少鉱物の硬貨で、言わば重量制で取引している(魔法的な何かがはたらいててもいいですが)という設定を、この「天秤」が記号となって示しています。

でも、ゲーム中でのこの天秤は「物を売る時の窓口」としてしか機能しません。 商品を買うときは、テーブルに乗っている商品の前に立ってボタンを押せばよいのです。

でも…きっと本来はこのイラストのように、毎回の買物で商品を選んだ後、お金が足りているのかどうかの緊張の一瞬が、ワルキューレに訪れていたんだろうと思いますね。 今回のイラストは、その妄想シーンをちょっと切り取って描いて見ました。 えぇ妄想ですけど

サンドマンとコアクマン

他のキャラについては、ゲーム中に表示されているサンドマンが、16 x 16 ドットの解像度のせいかすごくやる気が無く見えて結構好きですね。 これもゲーム画面を再現してます。 一歩も動かない(笑)。

ドアの向こうにいるのはコアクマン。 割と序盤から毒攻撃をしてくるにくいやつ。無性別の人型キャラなんですが、公式イラストがなんかちょいエロいんですよね。

ワルキューレの神デザイン。全て「彼女の物語」として楽しめた

テキスト会話も明確なヒントもないので、何をしていいか分からない感じにほっぽり出されるのがこのゲーム。

ですが、とにかくパッケージでのワルキューレのデザインが良すぎたため、例え進行が詰まっても、長い遠征からセーブしに帰ってきて家の目の前で死ぬことになっても、「…というワルキューレの冒険であった」と脳内変換することで、万事OKにできました。 キャラの力って、すごいなあ。

パッケージでは金髪碧眼の三つ編み少女なのに、ゲーム内では黒目黒髪のロングヘアーになっていたって構やしません。 当時のファミコンではよくあること。

TVのゲーム画面を見ながら脳内ではいつだって、パッケージデザインの凛々しい戦乙女(いくさおとめ)が再生されていましたよ!

しんどいゲームシステムだが、ワルキューレとなら乗り切れる

ゲームシステムは基本的に、画面切り替え式じゃない「初代ゼルダ」と言えばよい感じでしょうか。

ゼルダと違うのは、テキストによるヒントや、目先のニンジンになる段階を追って難しくなるダンジョンがあんまり無いところ。 井戸くらい?

最終的にラスボスのいるお城を探し、そいつを倒すためにマップ探索を続け、その探索範囲を広げるために雑魚狩りでレベル上げをして強くなっていくのがプレイサイクルです。

…でも、結構謎解きがあるのにヒントがほぼ無く、ダンジョン込みでマップも相当広いので、このゲームの難易度は相当高いと言えますね。

この画面の中にワルキューレさんがいるのだと思えなければ、割とすぐ投げ出しちゃったかもしれません…。

生まれて初めてジャケ買いしたゲーム

「アクションありのRPG」ぐらいの前知識で、パッケージに描かれている主人公の「ワルキューレ」が、あまりにも可愛かったから買ってしまったのが、この「ワルキューレの冒険」。 人生初のジャケ買いでした。

このデザインは、それまでの漫画やアニメ……ましてやゲームではそれまでちょっと無かった毛色のアートワーク。 私は、ひと目でこのキャラクターのとりこになってしまいました。

…それまでのアクションあり女子キャラは、「アイドルっぽいの」や「謎のエロい格好(SF/ファンタジーを問わずビキニアーマー的なもの)」だったりと、どうしても「何かのコスプレ」感のあるデザインが多かったのですが(それはそれで私はとても好きですが)、このワルキューレは何かそういうのとは少しだけ違うと感じました。

Wikipedia で北欧神話のワルキューレを見てみると、あまたのワルキューレ達の絵画の中に、結構近いものもあります。 きっとデザイナーさんは、こういったものを慎重に観察してブラッシュアップしていったのだと思います。

当時のゲームのキャラデザインとはいえ、いわゆる子供だましじゃないデザインですよねえ。 

その後のワルキューレ

このワルキューレ、キャラクターや世界観としてはしっかりナムコの一軍入りを果たして、続編も出てゲーム性もより多彩で強くなっていきました。

このコラムはレトロゲー絵日記なので、ディスクシステムまでを上限に考えているのですが、PCエンジン版の「ワルキューレの伝説」は、本当に神ゲー…神々しさすら感じる素晴らしい移植でした。

子供の頃に、原体験をくらってワルキューレ世界の沼にはまった男がここにおります。 ナムコさん、なにとぞワルキューレの続編を……なにとぞ…!

以上、レトロゲー絵日記「ワルキューレの冒険」コラムでした!
 

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