【レトロゲーム絵日記 023】パルテナの鏡(ディスクシステム):潔く悪のまま、みっともなくも堂々と美しく敗れ去ったメデューサ姉さん

 
「パルテナの鏡」は、ややショタ気味のピット君と、美しい女神パルテナ様の人気が高いですが、私はメデューサの方がキャラとしては好きなんです。

ラスボスとして登場し、倒すと一人の女性に姿を変え(ていうか戻った)、力なく崩れ落ちて退場するんですが、その数秒の演出がどうもこう、地味に美しくて好きだったんですよねえ。

敗者としての美しさがあったメデューサ姉さん

メデューサは具体的な悪をゲーム上で見せることは無かったですが、代わりに改心も後悔もしません。 悪のまま最後まで君臨し、最後は主人公と一対一で戦って破れる。 まさに「悪役」でした。

役割としての「悪役」を演じきった名悪役

そもそも、ピット君が三種の神器を手に入れた時点でメデューサの負けは確定なんですよね。 もはや自慢の石化は効かないし、「光の矢」は自分への特効兵器。 天空の牙城というアドバンテージも、飛行能力を持ったピット君には意味を成しません。

ラスボスステージはちょっと長いものの、簡単にメデューサまで到達できます。 そこで必死のメデューサとの戦闘になりますが、これがまた楽勝。 中央でひたすら連射してれば勝ててしまいます。

つまりこのラスボス戦自体が、もはや「負けを見せるイベント」なんですよね。

万策尽き、正義の主人公に撃破されるメデューサ。

やられるのが分かってるのに逃げずに迎え撃った根性は大したものですが、その心境はいかほどだったかと思うと、中々にしびれるものが無くはありませんか。

そして負けた後、醜いメデューサの中からは一人の女性が。 それがメデューサの美しかった頃の姿だったんです。 彼女は力なく崩れ落ち、消え、その脇をピット君が押し通っていきます。

元々彼女は、パルテナと一緒に世界を統治していた「もう一人の女神」でしたが、日ごろの悪行三昧を理由にパルテナ様に魔物にされてたんですよね。 それで反乱を起こすに至ったと。

恐らくこの反乱劇に、「元の美しい姿に戻る」という目的は当然見込まれていたと思うんですが、それが叶ったのは倒された後でしたという皮肉

この「みっともない負け方で退場するひとりの女性」という演出……。 結構くるものがあります。

そこには「敗者の美」がありました。

最後に美しい姿に戻った瞬間、彼女は何を思ったのだろう……。

なーんて妄想がはかどってしまいます。


パルテナ様とピット君

エンディングは、倒したメデューサを尻目に奥へ進むと、きれいな女神様がいてハッピーエンドというメデューサ涙目の展開。 ディスクシステム版のは、清楚で神々しい女神様。

イラストのパルテナ様のデザインは、ディスクシステム版を基本として、杖のデザインだけ3DS版の物にしました。 ファミコン版イラストはディティールが見えづらかったので……シルエットがファミコン版とほぼ同じでしたし。

いま、女神様だけ切り出して改めて見て思ったんですが、胸が下すぎた…かな…。 ノーブラだしちょっと下にと手心を加えたのはあるんですけども。

私は一応「ギリシャ神話っぽい」この世界観が好きなので、3DS版のアニメ系のデザインよりは、昔の方が好きです。 懐古でもなんでもなく世界観的な好みとして。 本作には、絵本に出てくる範囲でのアートワークがいいんじゃないかなと。

※3DS版はアクションも別ゲーなので、アートディレクションが変わるのは至極まっとう。

パルテナ様の名前の由来
この記事ページのURLと、画像ファイルの命名のために「パルテナ」の英語つづりを調べようと思いました。
海外版の英語タイトルは「KID ICARUS」だったので行き詰ってしまい、英語タイトルの「-kid-icarus」に逃げてしまったのですが、英語版の Wikipedia を見たところ「PALUTENA」でよかったようです。
まあ、タイトル名は「KID ICARUS]でもパルテナ様自体はいるわけなんですから、最初の思い込みで諦めずにちゃんと調べれば良かったです…。

ちなみにWikiによると、「PALUTENA」はギリシャ神話に出てくる知と正義の女神「Pallas Athena(パラスアテナ)」から来てるみたいですね。なるほど、「パラスアテナ → パラサテナ → パラテナ → パルテナ」という感じでしょうか。 まあ、Wikiであって公式発表ではないみたいですが、個人的にはゲームの世界観的にまず間違いないだろうなと思います。

ピット君は、このスカートから生足というデザインのショタっぷりが一番の特徴ですよね。 顔があっさりデザインなのを、その一点でキャラ立ちさせています。 あと、やっぱりギリシャ神話っぽい。

3DS版でのピット君は、ゲームが3Dアクションで下からのアングルも多用になったことをふまえ、スパッツ着用になりましたが、古いファンの中にはそれも惜しむ声もあるようです……。

背景は、ラスボス部屋からエンディングの地形を圧縮しつつ、アングルをつけて描いたものです。 ほんとに、メデューサ倒してちょっと進んだところで大団円なんですよね。

本当は背景は真っ暗なんですが、明暗を分けたシチュエーションということで、女神様とピット君がいる左側はオレンジにしてます。右側で奥に見える星空はゲーム画面準拠。

当時星空と言えば「黒ベタに白い点」だったのに、群青の空に控えめなカラーリングの★が散らばってる本作の星空はキレイでした。

後、ぽつんと置いてあるナスビは、「パルテナの鏡」と言ったらナスビなので、とりあえず入れてます。

謎のナスビ使い
ピット君を一定時間ナスビに変えて、攻撃ができなくなる呪いをかけてくる「ナスビ使い」とかいう敵がいるんですけど、それがもう意味不明なのと、ナスビになったピット君の絵面がまたシュールで(ナスビから足が生えてる)好きでした。

そんなこんなで

色々とイラストにからめて、ディスクシステム版「パルテナの鏡」キャラクターの魅力についてつづってみました。

女神様もピット君もいいキャラなのには間違いないですが、私的に一番ぐっときたのは、やっぱりメデューサ姉さんですね。 「名作に名悪役あり」とは良く言ったもの。

ていうか本作、イベントとかは無いので、シナリオは説明書に書いてあるさわり(メデューサ追放~反乱でパルテナがつかまった、奪還せよ!)だけで、そこからもろもろ想像しなくてはいけません。

なので、いちばん妄想をめぐらせ易いのがメデューサ姉さんと言う部分もあります。 後は次点でナスビ使いか……?

うーん……。

……まだまだこれからも多くのゲームに触れて、妄想を楽しんでいきたいと思います。

以上、レトロゲーム絵日記「パルテナの鏡」でした!
 

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